安倍晋三氏国葬 メディア雑感

安倍晋三氏の国葬が行われたその前も後も、マスメディアはしきりに「世論の賛否は二分しており云々」とテレビで、ラジオで、ネットニュースで伝え続けた。NHKに至っては「事件があったその日から今日までのTweetを分析しました」などとニュース7で伝えるので唖然とした。

3.11 東日本大震災の際に、東京電力 福島第一原発事故が起こった頃だったと思うが、街中で行われるデモンストレーションをメディアが報道始めてから、一部の人々、少数派、マイノリティの諸活動が種々報道されるようになった気がする。

およそ一つの出来事があれば、それに賛否両論あるのは当たり前であり、選挙でも与党支持者あり野党支持者ありで大いに結構なことなのだけれど、問題はその取り上げ方にある。少数派の意見はそのとおり “少数" であるはずなのに、面白がって大々的に取り上げるから、現実社会との乖離や歪みが起こる。そりゃ誰だってテレビなど見なくなると思うのだが、如何だろうか。

NHKのTwitterツイート分析に至っては愚の極みであって……。そもそも選挙における国民の民意としては自民党投票者多数である。ついでに言えば、政府や “勢力" に対して声をあげるのはそれに “反対する側" というのはいつの時代もお決まりのものであって、賛成派は「うんうん」と頷いているだけである。Twitterのトレンドにあがってくるのはおよそ反対意見ばかりであったが、投稿しているのは何となく似たような主義・思想の人ばかりで、人の揚げ足取りばかりしていた。反対派が独りで叫んでいるネットのTweetを分析したところで、そこに賛成派の意見は埋もれるだけである。ビッグデータ分析などと高尚な概念を掲げながら、結局は単純集計しかしていないのではなかろうか? そこにユーザのプロフィールから特定のワードを抽出したら面白いことになりそうなのだが、メディアは少数派意見を大々的に取り上げたいのだろうから、誰もそんなことをしたい。

YouTubeが随分と便利になり、昔からのテレビ局や新聞社とは異なるメディアの報道やビデオも見れるようになって助かっている。上皇陛下の譲位や今上天皇の即位礼正殿の儀のときもそうだったが、THA PAGEのビデオには余計な喋りや解説がなくて好感が持てたし、BBC記者が客観的事実にのみ基づき報道していることに驚いた。

ともかく、大きな出来事があると考えさせられることが多い。