2023年JKA全国大会観戦記

2023-07-11

※個人の感想です。

首都圏に出張があること自体がとても珍しいのだけれど、偶然にもJKA全国大会の日程とそれが重なったので、せっかくなので帰りの飛行機の便を翌日にし、2023年7月8日(土)、調布市・武蔵野の森総合スポーツプラザで第65回全国空手道選手権大会を観戦しました。

ここ数年は新型コロナウイルス感染症への対策のために入場制限を行いながら開催されましたが、COVID-19の感染法上の位置づけが第5類になったことから、今年からは従来どおりの形式での開催となりました。

私自身、この規模 (アリーナ内に試合場8コート) の大会を観るのは約20年振りで、かつて自分が出場した某連盟関係の試合以来です。アリーナにいざ入るや否や「懐かしいなぁ!」と感じてしまうあの空気って何なのでしょう。

10時前に会場入りして同日の試合終了まで、団体戦、高校生個人戦とひと通り見させていだたきました。観戦しながら感じたのは、第一にはやはりJKAの空手というのは「勝って奢らず、負けて腐らず」の武道空手・空手道だ! ということです。各種スポーツにあるような試合場での感情の爆発のようなものはほとんどなく、ただただ見ていて気持ちが良いのです。

しかしながら全空連(JKF)の試合形式(あるいは世界空手道連盟ルール)による影響等は少なからずあることは書かなければいけない気がします。残念なことに会場客席内では選手と思しき人々の「連盟の試合だったら〜」「協会は○○だから〜」という声が聞こえてきて、あるいはSNSでは「形の紅白戦で○○が出て、不得意な形で、くじ運が……」という投稿をされていたものも見ました。詳細の言及は避けますが、種々考えさせられる言葉ではありました。

良し悪しは個々人の価値観によりますが、JKFの試合で散見される、睨みつけたしかめっ面、大声での形の名前の称呼、叫び声の如き気合も見られ、これには気魄、残心等々のことについて深く考えさせられました。あくまで空手道は精神修養の道、心の修行であることを前提にし、五条訓をよく意識していかなければいけない気がいたしました。

ところで、間合いも気合も残心も数十年前を彷彿させられる選手が高校男子に一人だけおり、その組手試合は思わず見入ってしまいました。1日目の最後に「嗚呼、空手道だ!」と思うような良い試合を観ることができて幸せでした。

試合終了後には普段SNSで交流させていただいている、長野県何某館のO先生と初めてお会いいたしました。親子ほどの年齢差があります。こういった出会いがあるのは間違いなくインターネット・SNSのお陰様ですが、JKA・空手道でつながっていることに深く思いをいたしました。

帰りの移動があるため大会2日目は観戦できませんが、選手の皆さんのご健闘を念じあげます。