苦悩の旧里はすてがたく
いまだ生まれざる安養の浄土は恋しからず候

名残惜しく思へども
娑婆の縁つきて力なくして終わるときに
かの土へは参るべきなり

『歎異抄』第9章

巻頭言

平成の御代の終りまで残り60日を切った。その時代が始まって3か月と少し経ってから生まれた身としては、淋しい思いはやっぱりある。

忙しい毎日のなかで目まぐるしく変わる自身の体調に翻弄されながら、この「平成」の二文字を見たり書いたりするときに、複雑な、何とも言えない感情を覚えるときがある。

我々はどこへ向かうのか。

平成31年 (2019年) 3月4日

巻頭言集